SANKEN ARCHITECTS laboratory住宅にまつわる研究レポートとコラム

坪単価の裏側とカラクリを大公開!契約後に金額がバク上がりする原因はここにありました

date_range2025-2-15
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坪単価とは

家を建てる際、「坪単価はいくらですか?」という質問をよく耳にします。多くの方が坪単価を基準にして住宅メーカーを選びますが、実はこの指標には注意が必要です。

坪単価とは、建物の総価格を延床面積で割ったものを指します。一見シンプルな計算ですが、各社によって「何を含めるか」が異なるため、単純な比較ができないのです。

会社によって計算方法が違う

例えば、ある会社は建物本体の価格のみを基準に坪単価を算出し、別の会社は設備費用や設計費を含めた価格で計算している場合があります。さらに、税抜きか税込みか、ガスや水道の引き込み工事が含まれるかどうかでも金額は変わります。この違いを知らずに価格だけで比較すると、後々「思ったより高かった」と後悔する可能性があります。

面積が大きいと坪単価は下がる

また、同じ仕様のキッチンや浴室を備えた家でも、延床面積が広ければ坪単価は低くなります。例えば、80万円のキッチンが30坪の家にある場合と、40坪の家にある場合では、キッチンの価格が一定であるため、面積が増えると坪単価は下がります。このように、単なる計算上の数字でしかない坪単価に惑わされることなく、総額を確認することが重要です。

住宅展示場やウェブサイトでは、「坪単価○○万円」と強調されていることが多く、比較しやすい指標に見えます。しかし、各社の計算基準が異なる以上、単純に「この会社の坪単価が安いからお得」と判断するのは危険です。

では、どうすれば正確な比較ができるのでしょうか?

最もシンプルな方法は、「生活ができる状態の家を建てる総額」を聞くことです。鍵を受け取った時点で水道や電気が通り、トイレが使える状態で、すべての諸費用を含めた価格はいくらなのか。これを基準にすれば、より実態に即した比較が可能になります。

総額を確認しましょう!

さらに、家の形状によっても建築コストは大きく変わります。例えば、同じ100㎡(約30坪)でも、正方形の家と細長い家では外壁の面積が異なり、コストに差が出るのです。また、吹き抜けや玄関ポーチなど、施工面積に含まれる部分もあるため、床面積と施工面積の違いにも注意が必要です。

坪単価の本来の目的は、建物の大まかなコストを把握することにあります。しかし、正確な比較のためには、資金計画を立て、自分たちの予算内でどのような家が建てられるのかを総額で確認することが大切です。住宅メーカーを選ぶ際には、ぜひ坪単価だけに惑わされず、総額とその内訳をしっかりチェックするようにしましょう。

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