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-地域のミライ- 小さなアトリエから世界へ

date_range2025-6-24
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花と生きる、未来をつくる

加古川の住宅街に佇む、小さな花のアトリエ。

その扉を開けると、柔らかな光に包まれた空間の中に、季節の草花やアートのようなフラワー作品が静かに息づいています。

ここは「Muguet(みゅげ)」──フラワーアーティスト・keikoさんが手がける、花と人をつなぐ場所です。

「花」と「人生」が重なった道のり

10代から生け花を学び、20代では造花店に勤務。その後アパレル業界にも携わるなど、創造と表現を軸に幅広くキャリアを重ねてきました。

しかし、息子さんが重度の知的障がいを抱えて生まれたことを機に、約10年間、子育てにすべてを捧げる生活へ。

「“母”としての日々の中で、自分を諦めかけた時期もありました。それでも、お花に関わりたいという気持ちはずっと心の奥にあったんです」

30代で人生の転機を迎えたkeikoさんは、自分の「本当にやりたかったこと」にもう一度向き合い、花の世界に舞い戻ります。母親の事業を手伝いながら花屋に勤務し、2021年には自身のブランド「Muguet」を立ち上げ、ワークショップ活動をスタートしました。

花がつなぐ、ひと・社会・可能性

現在は自宅1階にアトリエを構え、リメイクフラワー(洗って再利用する造花)や季節の生花を使った作品づくりに加え、SNSを通じた販売や個展、企業とのコラボなど、表現の幅を広げています。

とりわけ力を入れているのが、障がいのある方々や子どもたちへの「花育」活動です。

知的障がいをもつ息子さんの育児経験をもとに、地域の福祉施設などで花のワークショップを行い、自己表現の機会を提供しています。

「花って、完成形がないんです。だからこそ、誰にでも“その人らしい表現”ができる。障がいがあっても、なくても、関係ない世界なんですよね」

“癒し”だけでなく、“自分を表す手段”としての花を、多くの人に届けたいと語ります。

世界へ、未来へ。花とともに歩む

2024年には、ニューヨークでの展示会にも出展。名古屋、神戸、沖縄など全国のフラワーセラピー関連団体とも連携し、福祉とアートを結ぶ活動を加速させています。

今後は、障がい者とともにつくる作品を、百貨店やギャラリーなどで販売する構想も描いているそうです。

「作品を通じて“可能性”を届けたいんです。社会の見方も、本人の自信も、花をきっかけに変えていけたらいいなって」

「いつか、障がいのある方が手がけた作品が百貨店で売られるような世界をつくりたい。花は誰にでも平等に寄り添ってくれるもの。その力を、もっと広めていきたいんです」

小さな花が、未来を変える

keikoさんが創り出すのは、ただの“きれいな花”ではありません。

そこには、誰かの記憶や感情が重なり、目に見えない想いを映すアートとしての強さがあります。

「“癒される”“気持ちが楽になる”──そう感じてもらえる時間をつくるのが、私の役割なんだと思います」

日々の暮らしの中に、そっと咲く優しさを。

小さなアトリエから、今日も花の力で未来が芽吹いています。

Instagram

益田桂子 muguet https://www.instagram.com/muguet2023k?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=NW43eGVobm1zY2Rn

Keiko https://www.instagram.com/keiko2024art?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=dWpzeHk3eXZteW83

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