SANKEN ARCHITECTS laboratory住宅にまつわる研究レポートとコラム

ハウスメーカー選びに疲れたあなたに。これからの時代の失敗しない選び方5選!

date_range2022-11-07

こんにちは。株式会社三建副社長の中澤です。

マイホームづくりは楽しいこともありますが、大変なこともたくさんありますよね。

1番悩んでしまうタイミングは、ハウスメーカーを選ぶときではないでしょうか。

毎週数時間の打合せをこなし、営業マンから様々なことを言われると「もう疲れた!」となる人もいるでしょう。

今回はハウスメーカー選びに疲れてしまったあなたへ、少しでも力になれればと思い書いた記事です。

失敗しないハウスメーカー選び

理想の注文住宅を建てるにはハウスメーカー選びが重要です。

大手の会社を選べば大丈夫というわけではありません。

生涯を共にする「家づくりを任せる会社」を選ぶチェックポイントとして、この5つの質問をハウスメーカーの担当者に確認しておくことが大切です。

5つとも標準仕様として満たしているハウスメーカーで検討を進めることが20年後、30年後に後悔しない家づくりができたと安心することができるのではないでしょうか?

最近は世界的な気候変動によって極地的な大雨や自然災害も数多く発生しておりますが、本来の「家」の目的は家族を風雨や自然災害から守るためにあります

ですので、まずは「強い家」を作ることが大前提です。 

その上で太陽光発電や断熱・気密性能の高い「家」にすることで、家族全員が健康的で暮らしやすく光熱費の削減やCO2排出量を抑えていくことが大事だと思います。それでは、どんな質問をすればいいのでしょう!

住宅会社にするべき質問項目

「耐震等級は3」ですか?「構造計算」はしていますか?

今や、「耐震等級3」は当たり前ですが、構造計算(許容応力度計算)をしている会社はあまりありません

それは日本の基準がいろいろな状況に配慮して2階建てまでの住宅に対してそこまで求めていないからです。

ほとんどのハウスメーカーは壁量計算(4号特例)の簡易計算で確認申請等を行っております。

これは最も簡易的な方法でX方向、Y方向の壁の量だけを計算しています。

大事な基礎や偏心率(建物のバランス)は考慮されておりません。

しかしながら、偏心率(建物のバランス)は建物を災害から守るためには非常に重要な要素です。

いくら壁量だけが満たされていてもバランスが悪いと弱いところに力が集中し、弱いところから崩れていきます。

このため簡易的な壁量計算のみの検討ではなく、構造計算(許容応力度計算)をすることが強い建物をたてるためには重要だと思います。

制振装置」は標準仕様ですか!?

1つ目の質問の続きになりますが、今や耐震等級3は当たり前でそれに加えて「制振装置」も標準で装備されているか? 

耐震はいわゆる揺れに対して耐える力ですが、制振は揺れを軽減してくれます。

耐震と制振はいわば別物なのです。 

阪神大震災や熊本の震災では地震の揺れにより家具等の下敷きになったり、本震では大丈夫であっても繰り返しの大きな余震で建物が倒壊するということが多数起こりました。 

揺れを軽減することによって、家具等の倒壊を起こりにくくしたり、一度大きな揺れを受けると接合部がダメージを受け、繰り返しの余震に耐えられなくなり倒壊してしまうため、制振装置を装着することにより繰り返しの大きな余震にも耐えられる構造を作ることになります。

つまり、耐震はもちろんのこと制振装置を加えることで本来の耐震性能を発揮するということになるのです。

Ua値はいくらですか!?

北海道の家と兵庫の家、どちらが寒いと思いますか? 

実はヒートショックのリスクは暖かいエリアの方が高いのです。 

理由は簡単です。 北海道(寒いエリア)の方が断熱性能にこだわった建物が圧倒的に多いからです。 

兵庫県の営業マンに「この辺は暖かいエリアだからそんなに断熱性能を高くしなくても大丈夫ですよ…」と言われたらあまり知識のない営業マンです。 

断熱性能はUa値で表されるので必ずUa値の数値を確認しましょう。 

Ua値は低ければ低いほど性能が高いです。

ちなみに9月までの性能評価の最高等級4はUa値0.87、ZEHは0.60ですが、それ以上の0.46以下をお勧めしております。

10月以降の新断熱等級では最高等級7は0.26以下です。

(弊社の稲美の家モデルハウスは0.25)

全棟気密測定をしていますか!?

断熱性能をいくらよくしても、気密性能が悪ければ、隙間だらけの家になり機能しません。 

つまり断熱と気密はセットなのです。 

気密性能はC値という数字で表されます。 

1㎡あたりどれくらいの隙間があるかという数値です。 

目安で言えばC値0.5以下が望ましいと思いますが、もっと大事なのは全棟実邸で気密測定を行っているのか?ということです。

カタログ上、性能を謳うことは簡単ですが、実際の建築工事でクリアすることは難しい事なのです。

つまりカタログの数値がいかに良くても、実邸で調査をしなければ意味がないということになります。 

断熱・気密性能を良くして温度差のない心地よい空間、健康的で長持ちする空間を作ろうと思えば、重要な要素になりますので全棟気密測定をしているハウスメーカーを選びましょう。

理想の間取りは本当に叶えられますか!?

一口に注文住宅と言っても、すべてが自由に設計できるわけではありません。

近年は多くのハウスメーカーが「注文住宅」をうたっておりますが、いろいろ間取りを検討していく中で、たくさんの制約があることに気づかれると思います。

その制約はパターンで認定を取っている場合や、自主規制(自社にとって効率が悪い)等で制限をかけている場合が多いと思います。 

もっともらしい説明はされるとは思いますが、これから数十年過ごす「家」ですから、本当に建てたい「家」を建てた方がよくないですか? 

注文住宅と謳いながら仕様もほぼ決まっていたり、造作キッチンや、造作の洗面すら嫌がるメーカーも少なくありません。

本当に自分たちがやりたいことや間取りを実現してくれるハウスメーカーを選ぶことはこれから数十年過ごしてわけですから非常に大切な要素だと思います。

最後に…

この5つの質問を、先ずはハウスメーカーの営業マンに投げかけてみましょう。

そして5つ全てを満たしていつハウスメーカーで検討されることが将来にわたって後悔しない、間違いのないハウスメーカー選びの第一歩だと思います。

ぜひやってみてください。

投稿者プロフィール
取締役副社長
中澤 博明
大学卒業後、神戸の百貨店で外商を9年間経験した後、阪神大震災後の建設ラッシュもひと段落した逆風の時期にも関わらず思い切って大手ハウスメーカーへ転身。
転身直後からトップセールスマンとして約11年で160棟のお家づくりに携わるという異例の経歴を持つ。
大手ハウスメーカーでの担当としての経験や管理者としての経験、そして自身の家づくりの経験をもとに、お客様の想いを形にすべく、大手から地元加古川に密着した住宅メーカーの指揮をとる。
arrow_upward